ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作「長江哀歌」の中国の巨匠ジャ・ジャンクー7年ぶりの最新作。中国で実際に起こった4つの事件を基に、山西省、重慶市、湖北省、広東省で、日々をひたむきに生きるごく普通の人間たちが、不条理な世の中に耐え切れず「罪」に触れてゆく瞬間と、その罪に至るまでの経緯を映し出す。一見、主要登場人物たちに繋がりはないようだが、互いがすれ違った瞬間、次の人間に「罪」がスムーズにバトンタッチされてゆくさまは、まるでリレー競争のようだ。
中国の「今」をパワフルに衝撃的に表現し「同情」と「共鳴」で罪びとたちを捉える監督の力量に震える。第66回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞。
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