恋人たち

  • テアトル新宿 テアトル梅田ほか全国公開
  • 2015年 日本映画 140分

恋しい人たちを描いた映画
“報われぬ感情”がちゃんと伝わる傑作だ!!

恋人たち

何があっても別れない夫婦の10年間を描いた「ぐるりのこと。」以来7年ぶりとなる橋口亮輔監督最新作。理不尽なことがまかり通り、人の不幸を他人事として平然と捉える世の中。何かが変わってしまった…「今」の日本で、与えられた人生に愚痴を吐き出せず、ぐっと飲み込み生きている人たちや、暗闇から出口を見出せず苦しむ人たちはどれくらいいるのだろう。そんな人たちの心の感情をちゃんと拾ってあげたい。とオリジナル脚本を執筆し丁寧に演出。心の琴線に触れる傑作を生み出した。

通り魔殺人により妻を亡くし生きる希望を失った男アツシ。姑とはそりが合わず、夫とも既に倦怠期。惰性の結婚生活を送る中年女性瞳子。表向きは完璧なエリート弁護士だが、親友への想いを上手く伝えられない同性愛者の四ノ宮。映画はこの3人が生きる、ままならない「今」を背景に、彼らの胸に秘める“報われぬ感情”を抉り出す。拭いきれない怒りや哀しみ。諦め、やり場のない気持ち…。誰もが当事者となり納得し共鳴できるよう、橋口監督は登場人物の気持に寄り沿い「魂」を全投入した。

  • 監督:
    橋口亮輔
  • 出演:
    篠原篤
    成嶋瞳子
  • 配給:
    松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ

無名俳優の起用は大正解。暗闇の人生でも必ずや抜け道がある。やんわりと光が差し込む彼らの人生。こんな人生もまんざら悪くないと思わせるラストに胸が熱くなった。

©松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ