2007年イタリアで実際に起きた英国人女子留学生殺害事件「アマンダ・ノックス事件」を別の視点から描いた名匠マイケル・ウインターボトム監督最新作。事件の真相を探るサスペンスやミステリーという分野ではなく、実際の人物名や場所はすべて変更し「愛や尊厳」をテーマに描かれる。主人公は映画監督トーマス。家庭や仕事に息づまった男。物語は「天使」という存在を失くした被害者家族に寄り添い「事件の映画化」ため真相に迫り、希望を見出した主人公男性の心の変化を映し出す。
夢半ばに命を絶たれた被害者女性を“天使”と見立て「愛」という光で照らし出すラストにウインターボトムらしさを感じる。苦闘の主人公をダニエル・ブリュールが好演。
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