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「スター・ウォーズ」シリーズ第8弾。前作で伝説のジェダイの騎士となったルーク・スカイウォーカーを探し出した主人公レイのジェダイとしての新たな物語を描く。 ダース・ベイダーを継ごうとするカイロ・レンと伝説のジェダイ ルーク・スカイウォーカーの元、ジェダイとして修行をするレイ。「私は究極の力を知っている。かつては恐れなかったが、今は違う」というルークの衝撃の告白を聞き、自らのフォースの力に困惑する。覚醒したレイに待ち受ける未来は “光”か“闇”か・・・ 。
ルークの発言した「ジェダイが滅びる」の真意とは?出演者が台本を読み衝撃だったと語る内容に注目が集まる中、新キャラクターも見逃せない。
©2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
第二次世界大戦中のポーランド・ワルシャワで動物園を営む夫妻が、ナチス迫害に苦しめられているユダヤ人を動物園の地下の檻に匿い、300人もの尊い命を救ったという奇跡の実話を映画化。原作はダイアン・アッカーマンのノンフィクション「ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語」。監督は「クジラ島の少女」や「スタンドアップ」など、女性映画の秀作を手掛けてきたニキ・カーロ。「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインが主演兼エグゼクティブ・プロデューサーを務めた。
ヨーロッパ最大の規模を誇るワルシャワ動物園を経営するヤンとアントニーナ夫妻。「動物園を隠れ家にする」という夫ヤンの提案から、夫妻の“恐怖の救出活動”が始まるのだった…。命の尊さを誰よりも知る夫妻。ドイツ兵が出入りする園内で、いかにして大切な命を守りぬくことができるのか。映画は母、妻、人格者として、この大仕事をやり遂げたアントニーナの目線からドラマチックかつスリリングに描く。母性の力でホロコーストに果敢に立ち向かった女性の愛と勇気の感動作が誕生した。
ハリウッド女優のオーラ全開!ジェシカ・チャステインの魅力に惹きこまれる。ヒトラー直属の動物学者ヘック(ダニエル・ブリュール)との“恋(?)の駆け引き”も見どころ。
©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.
幼い兄弟エドワードとアルフォンスは、死んだ母を生き返らせたい一心で錬金術最大の禁忌である人体錬成を行なうが失敗し、その代償として兄、エドワードは右腕と足の一部を、弟アルフォンスは身体全てを失い鎧に魂を定着させた姿になってしまう。数年後、国家錬金術師の資格を得たエドワードは、失った身体を取り戻すため、絶大な力を持つ「賢者の石」を探す旅に出る・・・。
原作の世界観を再現するためイタリアロケを敢行。CGを屈指したアクションシーンと原作イメージを考慮したキャスティングにファンは満足するはず。特に松雪泰子演じるラスト役は必見である。
©2017 荒川弘/SQUARE ENIX©2017 映画『鋼の錬金術師』製作
結婚直前に原因不明の病に倒れ意識不明になった花嫁と、奇跡を信じ8年間待ち続けた花婿との想像を絶する愛の物語。2015年2月、You Tubeに投稿された1本の動画「8年越しの結婚式」(岡山在住の中原尚志さん、麻衣さんご夫妻の実話)をもとに「64-ロクヨン-前編/後編」の瀬々敬久監督がエンターティメント性豊かに演出。愛の深さ、愛の辛さ、愛の喜びが誰の心にも届く感動作に仕上がった。W主演に佐藤健と土屋太鳳。単なるアイドル映画だと思い見過ごしたら絶対「損」をする一作だ!
結婚の約束をした幸せなカップル尚志と麻衣に突然訪れた悲劇。麻衣が原因不明の病にかかり、意識不明になってしまったのだ。いつ目覚めるかわからない彼女の回復を信じ、ひたすら待ち続ける尚志。月日がたち、ようやく目を覚ました麻衣。だが喜びも束の間、さらなる試練が二人を待ち受けていた…。揺るがず、ひたむきに彼女を想い続ける尚志。佐藤健の一途な演技に心打たれる。長い眠りから覚め、再び幸せを掴もうとする麻衣を土屋太鳳が「眠りの森の美女」さながらに可憐に演じ新境地を開いた。
結婚式までの8年間。それは二人がより深い愛を育んだ8年間でもある。若い二人を傍で支える麻衣の両親。特に薬師丸ひろ子の温かな「母」の演技が強い印象を残している。
©2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
妄想癖のある24歳のОLが、10年来片思いの中の彼氏(脳内片思い)と、人生初告られたどうでもいい彼氏(リアル恋愛)との間で苦しみ、もがきながら、本当の恋を見つけ出していくまでを描く痛快ラブ・コメディ。原作は「蹴りたい背中」の芥川賞作家、綿矢りさの小説。個性的文面が冴える原作を大九明子監督が商業性豊かに描出した。今世紀最大のイビツなヒロイン、ヨシカに松岡茉優。明朗快活に、孤独感満タンに、妄想を爆走する痛い演技で、現代女性のリアルな心の声を表現、好演した。
二人の彼氏役には俳優としてもいい味を出す渡辺大知と、人気若手俳優北村匠海。片桐はいり、古館寛治などの馴染みの脇役俳優陣も存在感を放ち、笑いを誘う。
©2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会
北海道歓楽街・ススキノ。この街のすべてを知り尽くす探偵がBARで呑んでいると、相棒の高田が大学の知人の依頼を持ち込む。内容は失踪した知人の彼女を探し出すこと。簡単な仕事と判断し受けるが、探偵たちが調査を進めると彼女がアルバイトをしていたモデル事務所にたどり着く。しかしそこはヤクザと繋がる危ない会社だった。そして探偵らは失踪に隠された大きな事件に巻き込まれていくのだった・・・。
シリーズでお馴染みの拷問シーンもあり、今回は真冬の寒い中、パンツ一丁にさせられた探偵が、漁船の船首に縛られ「助けてくれ~!」と絶叫する大泉ならではの大爆笑シーンは必見。しかし尻を何度も刺されて大怪我にならないなんて不思議です。
©2017「探偵はBARにいる3」製作委員会
「ホロコースト」を肯定するユダヤ人歴史学者と「ホロコースト否定論者」であるイギリス人歴史家との1779日に及ぶ法廷闘争を描く緊迫の実話。原作は映画の主人公であり著者でもあるデボラ・E・リップシュタットの「否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い」。ホロコーストが実在したことは世界中が知っていること。では何故博識ある研究者がその歴史を平然と覆したのか?映画は肯定者側の疑問と怒り、否定論者側の主張と思想を「法廷劇」という舞台上でぶつけあい、真実を導き出す。
レイチェル・ワイズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・スポールら演技派達が歴史的事件を熱演。またアウシュヴィッツ収容所での撮影を敢行。真実味ある作品に仕上がった。
©DENIAL FILM, LLC AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2016
モーツァルト生誕260年を記念し製作された「アマデウス」以来の本格派モーツァルト映画。1787年にオペラ「フィガロの結婚」上演のため、プラハを訪れたモーツァルトが、その地で「ドン・ジョヴァンニ」を作曲したという史実から発想を得て作られた。おなじみのアリアが全編を彩り、モーツァルトと華麗なソプラノ歌手スザンナ、邪悪なサロカ男爵の三角関係を描く悲愛の映画であり「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」に登場する人物や設定が盛り込まれたオペラ映画になっている。
「ダンケルク」のアナイリン・バーナードが魅力的に演じる繊細で無邪気で情熱的な若きモーツァルトに惹き込まれる。「シザーハンズ」の頃のジョニー・デップのようだった。
©)TRIO IN PRAGUE 2016
血の繋がらない母と娘の30年ぶりの再会を通し、大切なものを見出していくまでを描く女性映画の決定版!自由きままな母と、生真面目すぎる娘。何もかもが真逆な二人。自己中心的な母のペースに巻き込まれ、最初は反発ムードの娘。だが人生を謳歌する母の姿に刺激され、また深刻な現状にほだされた娘は、いつしか「母の存在」を認め、そして自らの人生の新しい扉を開けていく。老介護問題をベースに、母と娘の普遍的関係、さらに「人生耀きの術」を笑いと涙で綴る感動と共感の人生讃歌。
ポジティブな母にカトリーヌ・ドヌーブ。ストイックな娘にカトリーヌ・フロ。フランスが誇る女優が巻き起こす“風”は実にエレガント。
©)CURIOSA FILMS – VERSUS PRODUCTION – France 3 CINEMA (C)photo Michael Crotto
フランスの文豪モーパッサンの不朽の名作を再度映画化。親の薦める結婚をした男爵家の令嬢のいつの時代も変わらない「女の人生」が描かれる。17歳の乙女ジャンヌ。親の薦める子爵ジュリアンと結婚し、夢ふくらむ人生を歩き始めた途端、夫の不貞を目の当たりにする…。監督・脚本は「母の身終い」のステファンヌ・ブリゼ。19世紀ノルマンディー地方の美しい田園風景を再現し、詩的なリズムで格調高く展開する本作は、あたかも小説を読んでいるかのようなモーパッサンの世界が堪能できる。
夫に尽くし、子供のために身を削る。結局「女の人生」は、誰かの為に生きることに「幸せ」を感じるものなのか。女の一生を演じきったジュディット・シュムラも素晴らしい。
©TS PRODUCTIONS (PHOTO MICHAEL CROTTO)-AFFICHE NUITDECHINE
2009年に「抗NMDA受容体脳炎」という奇病を発症したニューヨーク・ポスト紙の記者スザンナ・キャハランの壮絶な闘病を綴った手記をもとに、オスカー女優シャーリーズ・セロンがプロデュースし映画化が実現した感動実話。ある日突然原因不明の病にかかり、自分らしさを失った若い女性と、彼女の回復を信じ原因解明に奔走する家族と専門医師との愛と希望と勇気の物語。主演は「キックアス」の美少女クロエ・グレース・モレッツ。難病と闘う迫真の演技は、大人の女優の風格を感じた。
感情がコントロールできず人間性が崩壊。2007年に病名が発覚するまでは、悪魔憑きや精神の病と判定された。「エクソシスト」のモデルの少年も典型的症例と指摘された。
©2016ON FIRE PRODUCTION INC.
フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督最新作。「浮き雲」や「過去のない男」などシンプルな語り口でどん底人生を生きる庶民に一筋の「光」をもたらし続けた監督が、近年ではEU諸国における深刻な難民問題をテーマに映画製作を行い、前作「ル・アーヴルの靴みがき」に続き「難民三部作」の第二作目として本作を製作した。北欧フィンランドのヘルシンキを舞台に、地元住民の小さな善意にシリアからの難民青年が救われるという物語で、2017度ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した。
フィンランドの首都ヘルシンキ。内戦が激化するシリアから生き別れた妹を探しヘルシンキに流れ着いた青年カーリド。酒浸り妻と衣類セールスの仕事に愛想を尽かし、レストラン経営で人生の再スタートを夢見る地元の初老男性ヴィクストロム。ある日、難民申請が却下され、不法滞在者となりボロボロになったカーリドと出会ったヴィクストラムは、危険を承知で彼を雇い、妹探しに一役かうのだった…。心酔する小津安二郎監督を手本に簡潔なセリフ運びと昭和臭漂う映像描写。音楽にも拘りを感じる。
必ず日本を登場させるのも特徴だが、日本=スシの発想はいつもながら笑える。ユーモアとメランコリックの融合で「希望」の光を注ぐ、アキ・カウリスマ節は今回も冴えていた。
©)SPUTNIC OY, 2017
How to Talk to Girls at Parties
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェル監督待望の最新作。原作はニール・ゲイマンの短編集「壊れやすいもの」に収められた自伝的小説。セックス・ピストルズやザ・クラッシュなどのパンク音楽と、斬新なファンションがスクリーンを席巻。パンク・スピリット、ビンビンだ!舞台は70年代後半のロンドン郊外。内気な男子高校生と遠い惑星からやって来た美しい少女の出会いから別れまでの48時間の切ない恋物語を独特の感性で描くサイケデリックな一作。
「マレフィセント」の美少女エル・ファニングと、トニー賞受賞俳優アレックス・シャープ。次世代ホープ二人がチャーミングに演じ、清々しく感動的なラストを届けてくれる。
©COLONY FILMS LIMITED 2016
Le coeur en braille
プロのチェリストを目指す優等生の少女マリーと、少女に片思いしている落ちこぼれ少年ヴィクトールの小さな恋の物語。少女から「秘密」を打ち明けられた少年。少女の夢を叶えるため二人だけの秘密の奮闘劇が描かれる。マリー役のアリックス・ヴァイヨは、フランスで若き天才ヴァイオリニストとして知られるだけあり、チェロ演奏もおてのもの。しなやかな手さばきに感動すら覚える。健気な少年ヴィクトール役には、天才子役ジャン=スタン・デュ・パック。愛らしいルックスが印象に残った。
原作はパスカル・ルテールのフランスのベストセラー青春小説。12歳版「500日のサマー」だと、キュートな二人が織りなすピュアな恋物語にフランス国民が夢中になった。
©2016 GAUMONT-AJOZ FILMS-NEXUS FACTORY
「22年目の告白 私が殺人犯です」の入江悠監督が、兄弟が逃れられない運命の絆を描いたサスペンスアクション。今回監督の出身である埼玉県深谷市を舞台にオリジナル脚本を書いている。 高校時代に行方不明となった長男の一郎、市議会議員の次男の二郎、地元デリヘルの雇われ店長の三男の三郎と、それぞれの人生を歩んでいた3兄弟だったが、地元の名士の父親が亡くなったことを聞きつけ失踪していた一郎が30年ぶりに突然帰ってくる。三兄弟の複雑な事情から、兄弟の運命の絆は凄惨な結果をもたらしていく・・・。
悲しい過去を背負いそれぞれの人生を歩んできた三兄弟の姿を通し、地方都市の暗部を映し出した監督の渾身の一作。各役者の演技が上手い。
©2017「ビジランテ」製作委員会
海外の映画祭でも注目されるSABU監督最新作。言葉の通じない日本で逃亡生活中の台湾の殺し屋が、潜伏先の田舎町で出会った人々との交流を通し人間らしさを取り戻していくヒューマンサスペンス。
台湾の腕利きの殺し屋ロンは、東京・六本木にいる台湾マフィアを殺す仕事に失敗し、北関東の田舎町に逃げ延びる。逃亡を助けてくれた少年ジュンとその母リリー、そして心優しい近所の人々との交流がロンの孤独な心を少しづつ開いていく。境内で始めた牛肉麺の屋台は行列のできる人気店となるが、ロンは30日に帰国を決意していた・・・。
一度裏社会に足を入れれば抜け出せない宿命的なテーマであるが、映画の世界だからこそ見れる明るい未来で終わるラストに観客は感動をすることだろう。主演のチャン・チェンの無口で影を背負った姿に若き高倉健を思い出す。名演技である。
©2017 LIVE MAX FILM / HIGH BROW CINEMA