• 新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国公開!
  • 2017年 日本映画 102分

その「愛」は光になる

光

カンヌでの評価が高い河瀬直美監督「魂」の最新作。ハンセン病患者を主人公に「生きること」の意味を問いかけた「あん」に続き河瀬監督が挑んだ題材は、生きる「光」。視力を失いかけたカメラマンと、視覚障がい者向けの「映画の音声ガイド」の仕事をする女性とのラブ・ストーリーが描かれる。主演は「あん」でタッグを組んだ永瀬正敏。奪われていく「光」に恐怖と不安が募りながらも、有名カメラマンというプライドを捨てきれない男の“心の曇り”を抑えた演技で表現。心を突かれた。

視覚障がい者向けの「映画の音声ガイド」の仕事をする美佐子は、会の集まりで弱視の天才カメラマン、雅哉と出会う。雅哉の無愛想な態度に苛立ちながらも、視力を奪われていく彼の葛藤を見つめるうちに、美佐子の心にある変化が生まれていく。視界の「光」を閉ざされ、盲目という辛辣な未来を抱えた雅哉と、認知症の母と失踪中の父を抱え、人生の「光」を模索する美佐子。絶望から希望へ。互いの中に「光」を見出した二人。ゆっくり静かに育まれていく愛の形。たまらなく愛おしくなった。

  • 監督:
    河瀬直美
  • 出演:
    永瀬正敏
    水崎綾女
  • 配給:
    キノフィルムズ/木下グループ

「愛する人を失いたくない」という監督の幼少期の境遇が投影。見た者の主観ではなく、映像に映る“ありのまま”を言葉で伝える音声ガイドという裏方の仕事も興味深い。

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