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Manchester by the Sea
辛い過去から逃れられない男の絶望と再生を寒々とした海辺の町マンチェスター・バイ・ザ・シーを舞台に描く珠玉の人間ドラマ。監督・脚本は、「ギャング・オブ・ニューヨーク」でアカデミー賞(R)脚本賞にノミネートされたケネス・ローガン。プロデューサーに俳優マット・デイモン。デイモンの盟友ベン・アフレックの実弟、ケイシー・アフレックが主人公リーを陰影の演技で演じきり、第89回アカデミー賞(R)主演男優賞を獲得。ケネス・ローガン監督も同賞の脚本賞に輝いた。
深い傷を負い故郷を飛び出しアメリカ・ボストン郊外で便利屋として働くリー。突然の兄の死をきっかけにマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってきた。兄の遺言で16歳の甥パトリックの後見人になったリーはこの町に留まり、再び過去の悲劇と向き合うことになる…。誰にも心を開かず孤独に生きる男。映画はこの男を苦しめている“過去”を紐解きながら、彼に寄り添う人々との温かな交流と共に、叔父(リー)と甥(パトリック)の静かな旅立ちを感動的に映し出している。
ケイシー・アフレックを筆頭に甥役のルーカス・ヘッジズ、元妻役のミシェル・ウィリアムズもアカデミー賞(R)にノミネート。まさに演者の力!心の機微を丁寧に演じた。
© 2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.
ウディ・アレン監督最新作。舞台は1930年代のハリウッドとニューヨーク。刺激的な人生を求め、ニューヨークからハリウッドへとやって来た平凡な青年の儚い恋と夢模様を描くセレブリティな雰囲気漂うビタースィートな物語。心躍るジャズのメロディ、小気味良く流れる台詞。要所要所にアレン監督ならではの皮肉を盛り込み、現代に「カフェ・ソサエティ」を蘇らせ大人のおとぎ話を紡いでいく。観客を魅惑の世界へと誘う紛れもなく「ミッドナイト・イン・パリ」に次ぐ名作となった。
時はハリウッド黄金期の1930年代。夢と刺激を求めニューヨークからハリウッドへやって来た青年ボビー。映画業界の大物エージェントである叔父のもとで働き始めた彼は、叔父の秘書であるヴォニーに一目惚れ。だが彼女には密かに交際中の男性がいたのだった…。恋に破れ、ゴシップだらけのハリウッドにおさらばし、ニューヨークで財を成したボビー。何かを得れば何かを失うのは、人生のバランスというもので、誰もが岐路に立つ“人生の選択”を切なくも明快な語り口で表現した。
ジェシー・アイゼンバーグの嫌味のない演技、シャネルを纏ったクリステン・スチュワートを筆頭にスティーヴ・カレルなど曲者俳優が大集結!。夢と笑いを届けてくれる。
© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
世界で大ヒットした「ワイルド・スピード」シリーズの第8弾。 誰よりもファミリーを大切するドミニクが裏切ったことで、盟友のホブスは投獄され、ファミリーは崩壊の危機になっていた。残されたレティやローマンたちはドミニクを本来の姿に戻そうとするが、誰もドミニクを止めることができず。彼らは最終手段として史上最悪の敵であったデッカート・ショウと手を組む事を決意する。果たして、ファミリーはドミニクを取り戻せるのか・・・。
ポール・ウォーカーが亡くなり、終わりかと思われたが、諦めることは出来ず、抜擢されたのがジェイソン・ステイサム。彼のドライブテクニックとアクションで最高に盛り上がる。
©2017Universal Pictures
異星人とのコンタクトを描いたテッド・チャンの「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。 ある日、地球上の世界各地に降り立った球体型宇宙船。知的生命体は何かを伝えようとメッセージが届くが、言語の違いから解読を言語学者のルイーズが担当することになる。意思疎通をはかろうと解析を進め始めながら“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていく・・・。
スタンリー・キューブリックの影響を受けた空に浮かぶ石のように見える宇宙船。墨文字のような表現の宇宙文字など斬新さはある。未来と現在が交差するメビウスの輪を映像表現したのだが戸惑うのが残念。
© 2016 SONY PICTURES DIGITAL PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED. © 2016 XENOLINGUISTICS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
学校帰りに見知らぬ男に拉致され、密室に監禁された女子高校生3人組。何度も脱出を試みるがことごとく失敗をしてしまう。彼女たちの前に現れた男。彼には23人の人格があり、登場するたびに人格が変わる多重人格者だった。そして24番目の人格が潜んでいることをほのめかす。 多重人格者という難しい役に挑戦したのは「X-MEN」シリーズのジェームズ・マカボイ。冷静で残忍な男、女性、9歳の子供、そして24番目の人格ビーストと様々に変化する演技に注目。
シャマラン監督といえばどんでん返しを期待してしまいますが、今回はアメコミの原点、ダークヒーロー誕生ストーリーと思ってみて頂ければラストのオチも納得するはず。
©2017Universal Pictures
アルフォンソ・キュアロン(製作)。ホナス・キュアロン(監督、脚本、編集、製作)。「ゼロ・グラビティ」に続く親子タッグ作であり、原点となった作品。舞台はアメリカとメキシコを繋ぐ“砂漠の国境”。メキシコからアメリカへと不法侵入を試みる移民たちと、侵入を阻止しようと銃弾を撃ちまくる正体不明の男との命がけの対決を描くサバイバル・エンタテインメント。極限状態の渇いた砂漠の国境で、聞こえるのは銃声音と叫び声。移民たちは“自由”を掴み取ることができるのか?
アメリカとメキシコの国境に関する今的な問題も掲げ、リアル感満載に突き進む88分ノンストップ、緊迫の逃走劇。「激突」と「ドント・プリーズ」の恐怖が蘇ってきた。
©2016 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.
第85回アカデミー賞作品賞に輝いた「アルゴ」以来、5年ぶりのベン・アフレック主演、監督のクライムサスペンス。 禁酒法時代のアメリカ・ボストン。厳格な家庭に育ったジョーは、警官幹部の父に反発し、ギャングの世界に入っていく。野心と度胸でのし上がろうとするジョーは、地元のボスから愛人を横取りするというタブーを犯しボストンを追われることになる。新天地フロリダで出会った美女グラシェラと共謀し、新ビジネスのラム酒の密輸に手を染めていく・・・。
アメリカの暗黒時代と言われた禁酒法時代に、しのぎを削りながら裏社会でのし上がろうとするギャングたちの姿が鮮明で胸をうつ。原作は「ミステック・リバー」のデニス・ルヘイン。
©2016. Warner Bros. All Rights Reserved.
孤島に暮らす灯台守夫婦の美しい愛と罪の物語。オーストラリアの作家M・L・ステッドマンのベストセラー「海を照らす光」を愛の名作「ブルー・バレンタイン」のデレク・シアンフランスが映画化。本作の撮影中に実際に恋におちたという「スティーブ・ジョブズ」のマイケル・ファスベンダーと「リリーのすべて」でアカデミー賞(R)助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。熱のこもった二人の演技に加え、レイチェル・ワイズの助演も光り、涙必至の感動作となっている。
孤島に暮らす灯台守夫婦の美しい愛と罪の物語。オーストラリアの作家M・L・ステッドマンのベストセラー「海を照らす光」を愛の名作「ブルー・バレンタイン」のデレク・シアンフランスが映画化。本作の撮影中に実際に恋におちたという「スティーブ・ジョブズ」のマイケル・ファスベンダーと「リリーのすべて」でアカデミー賞(R)助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。熱のこもった二人の演技に加え、レイチェル・ワイズの助演も光り、涙必至の感動作となっている。
「愛と痛み」「罪と赦し」「喪失と再生」が静かなトーンで丁寧に描かれている。男は妻から、そして二人の母親は娘から生きるための「光」を照らされる。素晴らしい邦題だ。
©2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC
人情喜劇の大巨匠、山田洋次監督新シリーズ待望の第2弾。2013年3月、熟年離婚騒動で日本中を感動の笑いで包みこんだ“問題家族”平田家。危機を乗り越えた矢先、再び大事件発生!近頃巷で起こっている高齢者ドライバーによるトラブルが、一家の主である周造にも襲い掛かり、家族は運転免許を取り上げようと画策。恒例の「家族会議」が開かれるが…。“熟年離婚”から“無縁社会”へとテーマを変え、旧友との再会をきっかけに事態は思わぬ方向に…。爆笑必“死”をお約束します。
頑固オヤジ健在!橋爪功をはじめ御なじみの平田家メンバーが再集結!前作以上のあ・うんの呼吸もバッチリに、コミカルでハートフルな家族の掛け合いをみせてくれる。
©2017「家族はつらいよ2」製作委員会
「半落ち」などで知られる日本映画の名匠、佐々部清監督最新作。4度のガン手術から生還した夫が、若年性アルツハイマー病の妻を介護した4000日の記録を短歌と共に綴った陽信孝氏の原作を映画化。家族や周り人たちの温かい支えにより、壮絶な介護を“ごく普通の日常”として受け入れ、前向きに歩んだ12年間の夫婦の純愛の物語。舞台となった山口県萩市ではいち早く公開。あの「君の名は。」と並ぶ大ヒットを記録。資金集め・脚本・監督と全てを担った佐々部監督渾身の力作だ。
夫のガンをきっかけに、若年性アルツハイマー病になった妻の八重子。元音楽教師で歌が好きだった妻。段々と遠のいていく記憶、次第に幼女になっていく妻に夫の誠吾は「歌」で優しく語りかけていく…。主演は佐々部監督作品3度目となる升毅。優しさのオーラで八重子を包み込む演技は「涙」に値する。八重子役には現在作家として活動する高橋洋子。なんと28年間ぶりに女優業を再開。ブランクを感じさせない演技に圧巻。升さんと高橋さんの名演に清く美しい夫婦像を見せてもらった。
介護=忍耐というイメージを“優しさ”で打ち壊した「夫婦の思い出作り」の物語。夫婦の情愛を超えた“人間愛”が胸に染み渡る「心」ある作品。見逃して欲しくない。
©Team「八重子のハミング」
視力を失い、心を閉ざした柔道スター選手の弟と、仮釈放中の詐欺師の兄。疎遠関係にあった二人が15年ぶりに再会し、憎しみ合いながらも次第に心を通わせていく愛と絆の感動物語。「裸足のギボン」以来、家族愛を描き続けるクォン・スギョン監督。兄弟の絆という普遍的テーマを真っ向からぶつけ、大切な家族の意味を問いかける愛のあるオーソドックな演出が逆に涙を誘う。支えあい、優しさを共有し、喜びを分かち合う。人として忘れてはいけないものが本作には沢山詰まっている。
柔道一筋のイケメンの弟役には、次世代グループEXOのメインボーカルD.O.。 ヤクザな兄貴役に、“演技の化身”と評されるチョ・ジョンソク。共に熱演した。
©2016 CJ E&M CORPORATION,CHOICE CUT PICTURES All Rights Reserved
家に帰る途中、突然崩れたトンネルの中で孤立した1人の男と、彼の救助をめぐって変化していくトンネルの外の話を描いたリアルパニック映画 ジョンスは、自宅に帰る途中、トンネルの崩壊事故に巻き込まれてしまう。トンネルの中にひとり閉じ込められ、周りは瓦礫で埋まりほんのわずかなスペースのみ。彼に残されたのは残量78%の携帯電話とミネラルウォーター2本、そして娘の誕生日ケーキ。 大型トンネル崩壊事故のニュースは韓国中に広がり、救出にむけた緊急事故対策班が作られる。
しかし救助が難航する中、近隣の第2トンネル工事が遅れたことから、人命か工事かで世論の意見が分裂し始める・・・。 日本では人命救助が優先されるだけに衝撃が大きい。
©2016 SHOWBOX, ANOTHER SUNDAY, HISTORY E&M AND B.A. ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.
ある日突然「宇宙人」に覚醒した“へんてこりんな家族”の物語。三島由紀夫が1962年に発表した異色のSF小説を「桐島、部活やめるってよ」の鬼才、吉田大八が映画化。原作の精神を尊重しながらも、昭和から近未来へと時代を移行し、核戦争から環境問題という今的なテーマへと大胆に脚色した。当たらないお天気キャスターの父、熱血フリーターの息子、クールな大学生の娘、“美しい水”の虜となった母。父が「太陽系惑星連合の使者」だと覚醒したことで家族の暴走劇が始まる…。
不思議ちゃんオーラ全開の作品だが、三島氏が生きていたら、きっと現代世界はこんな風に映るかもしれない…と思って観ると原作とはまた違う楽しみ方が出来るのでは?
ギャガGAGA★
「アクトレス~女たちの舞台~」の鬼才オリヴィエ・アサイヤス監督話題の最新作。セレブに代わり服やアクセサリーなどを買い付ける“パーソナル・ショッパー”として働くヒロインが、双子の兄の死をきっかけに遭遇する不可解な現象と殺人事件を描く心理ミステリー。フッション業界で働く一方で「霊媒師」の才覚を持つヒロイン。シャネルやカルティエなど豪華な物品がスクリーンを彩るファッショナブルな雰囲気と「ポルターガイスト現象」等の“ホラー色”が融合。謎めいた作品だ。
「トワイライト」シリーズで一世を風靡したクリステン・スチュワートが「アクトレス~女たちの舞台~」に引き続き出演。兄の霊に惑わされる女性をミステリアスに演じた。
©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR
Lo chiamavano Jeeg Robot
永井豪原作の人気アニメ「鋼鉄ジーグ」をモチーフに、少年時代から日本のアニメの大ファンだったガブリエーレ・マイネッティ監督が映画化したダーク・ヒーロー・エンタテインメント。犯罪と汚職にまみれた現代のローマで、ふとしたことで超人的パワーを得た孤独なチンピラが、「鋼鐵ジーグ」の熱狂的ファンである女性と出会い、彼女を守るため正義に目覚めていく姿が描かれる。ハリウッドのような華やかさには欠けるが、ハンドメイド感覚の作風にむしろ創り手の熱い愛が感じられた。
初のイタリアン・スーパーヒーロー・ムービーの誕生に映画界は大絶賛!イタリアのアカデミー賞(ダヴィド・ディ・ドナテッロ賞)新人監督賞をはじめ主要7部門を受賞。
©2015 GOON FILMS S.R.L. Licensed by RAI Com S.p.A. – Rome, Italy. All rights Reserved.
スペイン・バレンシア地方の小さな町。樹齢2000年のオリーブの樹をめぐる家族の愛と絆の物語。名匠ケン・ローチの良き相棒で「天使の分け前」の名脚本家が、ある新聞記事をヒントに脚本を執筆し、スペインを代表する映画監督である彼の妻がメガホンを撮り、感動系ヒューマンドラマを誕生させた。生きがいだった樹齢2000年のオリーブの樹を父が売ってしまったことで、言葉を発しなくなった祖父。スペインからドイツへ。オリーブの樹を取り返すため、孫娘の無謀な旅が始まる…。
大地に根を張っていたオリーブの樹が引き抜かれ、壊れた家族の絆。奇跡を信じ、祖父と家族のため奮闘する孫娘に共感。主演女優アンナ・カスティーリョの存在が光った。
©Morena Films SL-Match Factory Productions-El Olivo La Película A.I.E