サーミ人少女の成長と居場所探しの物語。サーミ人とは、スウェーデン近郊でトナカイを飼い暮らす独自の言語をもつ先住民族のこと。昔は他の人種より劣った民族として差別を受けていた。サーミ人の血をひく監督のアマンダ・シェーネルは、自らのルーツに迫った渾身作を発表し、2016年東京国際映画祭審査員特別賞、優秀女優賞のW受賞に輝いた。主演女優レーネ=セシリア・スパルロクもトナカイを飼い暮らすサーミ人。衣装、小道具、トナカイの扱い等、すべてがリアルだった。
恋も勉強もしたい。人間として当たり前の生き方をしたい。自由への憧れと現実との間に生じるジレンマ。レーネ=セシリア・スパルロクは少女の痛みを見事に表現した。
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