西洋的感性をもち世界で活躍する諏訪敦彦監督の「ユキとニナ」以来、8年ぶりとなる日仏合作作品。過去に囚われ、「死」を演じられない老俳優が、かつて愛した女性の「幻影」と再会し、未来を担う子供たちの映画製作に携わることで、生きる歓びと演じる活力を見出していくまでが、南仏の美しい映像と共に描かれる。主演は「大人は判ってくれない」で鮮烈なデビューを飾った申し子、ジャン=ピール・レオー。映画人生の集大成というべき圧巻の演技で「生と死」を演じ上げた。
名俳優の熟練の演技と、演技経験ゼロの子供たちの素の演技のコラボは、諏訪監督が力を注ぐ「こども映画教室」での「映画製作ワークショップ」の光景を見ているようだった。
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