焼肉ドラゴン

働けど、働けど、故郷は遠くなる…
演劇界の帝王が描く韓国版「屋根の上のヴァイオリン弾き」

焼肉ドラゴン

演劇賞を総なめした伝説の舞台劇の映画化。演劇界を代表する劇作家で原作者である鄭義信が、映画化用に脚本を執筆。自らメガホンをとった。「愛を乞う人」「血と骨」など、映画脚本も手掛けてきた鄭義信にとっての初監督作品でもある。高度経済成長期の1970年、日本万博博覧会で賑わう大阪伊丹空港のそばの集落を舞台に、焼肉屋を営む逞しき在日韓国人家族の愛と旅立ちの家族日記が笑いと涙で綴られたヒューマン・ドラマ。真木よう子、大泉洋など日本人キャストとイ・ジョンウン、キム・サンホの韓国演技派の共演も見どころ。

戦争で片腕を失くした父。血の気の多い母。年頃の三姉妹。いじめにあっている息子という家族構成で展開される「焼肉ドラゴン」は、差別と偏見、立ち退き問題等、監督の実話が活かされた昭和の物語になっているが、すぐに取っ組み合いの喧嘩で事をすます所などは、人気ホームドラマ「寺内貫太郎一家」を思い出す。また、すったもんだの末、好きな相手と所帯をもち親元を巣立っていく三姉妹と、幸せそうな娘たちを見届け、リヤカーを引き住み慣れた土地を離れていく夫妻の姿には「屋根の上のヴァイオリン弾き」の物語が重なった。

  • 監督:
    鄭義信
  • 出演:
    真木よう子
    井上真央
  • 配給:
    KADOKAWA ファントム・フィルム

「明日はきっといい日になる」と懸命に家族を守ってきた父親役キム・サンホの味のある演技に泣かされる。次第に彼が「サンライズ・サンセット」と歌うテヴィエに見えてきた。

©2018「焼肉ドラゴン」製作委員会