ファントム・スレッド

PHANTOM THREAD

  • シネスイッチ銀座 YEBISU GARDEN CINEMA 新宿武蔵野館  ヒューマントラストシネマ渋谷(6/9~) 他全国ロードショー
  • 2017年 アメリカ映画 130分

それは悪夢か、究極か?
芸術と愛の挟間で苦悩する仕立て屋が堕ちた「淫靡な愛」

ファントム・スレッド

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン監督最新作。1950年代のロンドン社交界を舞台に描く高級婦人服の仕立て屋と元ウェイトレスとの「究極の愛」の物語。これまでドラッグ臭のするダークな世界を男目線から追ってきた監督だが、本作では優雅で上品で魅惑的なオートクチュールの世界で女性客の心を虜にする。と言っても、それは前半部分だけ。完璧主義の仕立て屋と、ウェイトレスとの「愛の形」「愛の力関係」が明確になるにつれ、一瞬たりとも見逃せない驚嘆の領域になだれ込んでいく。

高級婦人ファッション界で君臨する仕立て屋のレイノルズ。完璧主義者の彼の目に留まったのは、ウェイトレスのアルマだった。彼が仕立てるドレスに理想的体型だったアルマに、癒しと活力を求め新しいミューズとして迎い入れるが、彼女の破壊力のある愛はレイノルズの人生を激しく狂わせていく…。女を最高の美で飾りたい男と、男の色には染まらず洗練されていく女。純粋な愛も媚薬を垂らせば「悪夢」になる。二人が辿りつく究極の愛に、そんな印象を抱いた。本年度アカデミー賞®衣裳デザイン賞受賞。

  • 監督:
    ポール・トーマス・アンダーソン
  • 出演:
    ダニエル・ディ=ルイス
    レスリー・マンヴィル
  • 配給:
    ビターズ・エンド/パルコ

これで見納め、俳優業を引退するダニエル・ディ=ルイスの憂いの男香に酔わされた。レイノルズを巡る二人の女、レスリー・マンヴィル、ヴィッキー・クリープスの健闘も光る。

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