2018年9月号

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アントマン&ワスプ

Ant-Man and the Wasp

アントマン&ワスプ

小さい頼りないヒーロー・アントマン復活!!
お菓子のペッツが狂気に!?

「マーベル・シネマティック・ユニバース」原作で体長1.5センチにまで小さくなる異色のヒーロー、アントマンと、相棒のヒロイン、ワスプの活躍を描くシリーズ第二弾。 バツイチ、無職、前科持ちとなった頼りないヒーロー アントマンのスコットは、2年前に参加したアベンジャーズの戦いで、いまはFBIの監視下のもと自宅軟禁となっていた。FBIの監視からの開放まであと3日、突然スコットの前に、アントマンのスーツの開発者ハンク・ピム博士と、博士の娘のホープ・ヴァン・ダインが現れる。

  • 監督:
    ペイトン・リード
  • 出演:
    ポール・ラッド
    エヴァンジェリン・リリー
  • 配給:
    ウォルト・ディズニー・ジャパン

2人が極秘で開発中の新技術を神出鬼没のゴーストから守ってほしいとお願いされるのだが・・・。 アクションシーンに驚愕だが、家族愛に泣かされた。

©Marvel Studios 2018

プーと大人になった僕

Christopher Robin

プーと大人になった僕

プーさんが届けてくれた永遠の愛

世界的人気キャラクター「くまのプーさん」、初の実写映画化。大人になったクリストファー・ロビンと、大親友プーさんの奇跡の再会を通し、大人になるにつれ忘れてしまいがちな「大切なもの」を思い出させてくれる、ディズニー映画ならではの感動作品が誕生した。舞台となる20世紀中期のロンドンや、100エーカーの森は美しく趣があり、実物のぬいぐるみを使用し撮影されたプーさんをはじめとする人気キャラクター一行とユアン・マクレガー率いる人間達との交流もラブリー。童話をめくるようなワクワク感が胸中を巡った。

  • 監督:
    マーク・フォスター
  • 出演:
    ユアン・マクレガー
    ヘイリー・アトウェル
  • 配給:
    ウォルト・ディズニー・ジャパン

ユアン・マクレガーが仕事人間の大人に成長したクリストファーを演じた。3代目プーさん声優のジム・カミングスは、30年間プーさんの声を務める大ベテラン、ティガーの声も兼任。

©2018 Disney Enterprises, Inc.

MEG ザ・モンスター

The Meg

MEG ザ・モンスター

巨大サメの恐怖はジョーズを超えた!!

恐竜時代に存在していた超巨大ザメメガロドンが未知の深海から現れ人類を襲うサバイバル海洋パニック。ジェイソン・ステイサムと「ナショナル・トレジャー」シリーズのジョン・タートルトーブ監督の初タッグ作品。 人類未踏のマリアナ海溝よりさらに深い深海を発見した海洋研究所の探査チームは、最新の潜水艇で調査を始めると、そこには未知の生物が生息し、新発見に歓喜するが、何かに襲われ深海で身動きがとれなくなってしまう。レスキューダイバーが救出に向かうと、信じられない光景を目にする。そこにいたのは絶滅したはずの巨大ザメのメガロドンだった・・・。

  • 監督:
    ジョン・タートルトーブ
  • 出演:
    ジェイソン・ステイサム
    リー・ビンビン
  • 配給:
    ワーナー・ブラザース映画

効果音に頼らず、CGの映像で恐怖を見せる演出はテーマパークをみているようだ。

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

スカイスクレイパー

SKYSCRAPER

スカイスクレイパー

世界最大のビルを飛び越えろ!! 世紀のアトラクションムービーに驚愕だ!!

「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」の人気アクション俳優ドウェイン・ジョンソンが高層ビルで家族を守るため大暴れするスーパーアクション。 香港にそびえ立つ天空の楽園超高層ビル「ザ・パール」元FBI人質救出チーム隊長のウィルはこのビルの98階に家族とともに暮らしていた。突如何者かが起こした爆破で高層階に取り残された家族を助けるため、1000mの高さの巨大クレーンを丸腰でよじ登るウィル。ビル内は謎の組織に占拠され、人質となった愛娘の命と引き替えに要求されたのは「ザ・パール」の機密データだった・・・。

  • 監督:
    ローソン・マーシャル・サーバー
  • 出演:
    ドウェイン・ジョンソン
    ネーヴ・キャンベル
  • 配給:
    東宝東和

「ダイハード」級のハードアクションの復活を待っていた。演技は上手いと感じたことはないがピンチを乗り越える納得の肉体ドウェイン・ジョンソンに納得だ。

© Universal Pictures

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男

Borg McEnroe

  • 全国ロードショー
  • 2017年 スウェーデン・デンマーク・フィンランド映画 108分

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男

氷の男VS炎の男 王者を賭けた 伝説の3時間55分

テニス界の美しき王者ビヨン・ボルグと、悪童ジョン・マッケンロー。1980年に行われたウィンブルドン決勝戦での3時間55分に及ぶ熾烈な闘いと、彼らがそこに至るまでの道のりを描く感動実話。常に冷静沈着で周りからは“氷の男”と呼ばれたボルグ役には、スウェーデン出身の注目俳優スベリル・グドナソン。一方、“悪童”マッケンローを演じた「トランスフォーマー」のシャイア・ラブーフの強烈な悪態ぶりは、あまりにも本人に似過ぎているとの高い評価を得た。

  • 監督:
    ヤヌス・メッツ
  • 出演:
    スベリル・グドナソン
    シャイア・ラブーフ
  • 配給:
    ギャガGAGA★

対極にいる二人が、同じ目標をもち闘う決勝戦でのシーンが最大の見所だが、最後に二人が友情を築きハグするシーンはもっと感動的。少年期をボルグの実息が扮しているのも注目。

©AB Svensk Filmindustri 2017

クワイエット・プレイス

A Quiet Place

クワイエット・プレイス

音をたててはいけない!

人類滅亡の危機に家族の生き残りを描いたアクションホラー作品。音を立てない、緊張感のオープニングからやがて家族以外の“なにか”の存在が恐怖であることが伝わってくる。ハリウッドらしい展開だが家族を守る親の心がホラー映画のジャンルで成立するところが珍しい。これも監督とエミリー・ブラントの夫婦共演がなせる演出。 音を立てると襲われる。この「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕していた。その家族は「決して音を立ててはいけない」というルールを守り、生き延びていた。

  • 監督:
    ジョン・クラシンスキー
  • 出演:
    エミリー・ブラント
    ジョン・クラシンスキー
  • 配給:
    東和ピクチャーズ

「ドント・ブルーズ」を思わせるコピーに期待したが、シャマラン監督的結末にハリ ウッドさを感じる。とは言えストーリーの展開に無駄はなく楽しめ観客も喜ぶだろう。

©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

ブレス しあわせの呼吸

Breathe

  • 角川シネマ有楽町他全国ロードショー
  • 2017年 イギリス映画 118分

夫へ、生きてくれてありがとう
妻へ、“しあわせ”をありがとう

ブレス しあわせの呼吸

「ブリジット・ジョーンズの日記」の名プロデューサーが、両親とのかけがえのない思い出を映画化した感動実話。28歳で難病ポリオにかかり、首から下が麻痺。人口呼吸器がなければ生きられなかった夫と、献身的に支えた妻との夫婦の愛の美学が描かれる。人生の半分以上人口呼吸器をつけ、ベッドと車イスでの生活を強いられた夫。それても生きることを諦めず、常に寄り添う妻と共に人生を楽しんだ。そんな夫婦の生き方は、スティーヴン・ホーキンズ博士と元妻の物語「博士と彼女のセオリー」と相通じるものを感じた。

運命の恋におち結婚したロビンとダイアナ。子宝にも恵まれ幸せの絶頂にいた二人に突然訪れた悲劇。ロビンがポリオにかかり、首から下が全身麻痺。人口呼吸器なしでは生きられない体になってしまった。“余命数か月”という宣告にもめげず、「生きる」ことを選んだ夫。不可能を可能にし奇跡を起こしていく夫婦の姿は、同じ病で苦しむ者たちの「希望」となっていく。前向きでエネルギッシュ!アンドリュー・ガーフィールドの首から上だけの演技と、クレア・フォイのパワフルな美しさ。併せて舞台となる英国の田園風景も美しかった。

  • 監督:
    アンディ・サーキス
  • 出演:
    アンドリュー・ガーフィールド
    クレア・フォイ
  • 配給:
    KADOKAWA

映画「海を飛ぶ夢」同様に“尊厳死”という切実なテーマも覗かせているが、与えられた人生をどう生きるかで「しあわせ」の価値が変わってくるものなのだとこの夫婦の生き方を観て感じた。

©2017 Breathe Films Limited, British Broadcasting Corporation and The British Film Institute. All Rights Reserved

500ページの夢の束

PLEASE STAND BY

  • 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
  • 2017年 アメリカ映画 93分

この願い ハリウッドに届け!
新たな可能性を見つけ出す 人生初の旅

500ページの夢の束

「セッションズ」のベン・リューイ監督と「I am Sam アイ・アム・サム」の元名子役ダコタ・ファニングが贈るハートミング・ストーリー。自閉症の女性が大好きな「スター・トレック」を通じて、新たな人生の可能性を見つけ出していく愛と成長の物語。「JUNO/ジュノ」「マイ・レージ、マイライフ」の名プロデューサーが脚本に惚れ込み映画化となったが、その原案となったのは、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されていた自閉症の少女の記事。ちなみにその少女が好きだったのは「ロード・オブ・ザ・リング」だったとか。

「スター・トレック」に関することなら、誰にも負けない自閉症のウェンディ。「スター・トレック」脚本コンクールに応募しようと渾身の脚本を書き上げたが期限ギリギリ、郵送では間に合わないと、500ページの脚本をリックに詰め、愛犬ピートとハリウッドまで自力で届けようと人生初の旅に出る…。毎日自立支援ホームとアルバイト先の“シナボン”とを行き来きするだけだった彼女が、旅の途中、世の中の厳しさを知り、難関を一つずつクリアしていく光景は、まるで「はじめてのおつかい」を観ているようで気が気じゃなかった。

  • 監督:
    ベン・リューイ
  • 出演:
    ダコタ・ファニング
    トニ・コレット
  • 配給:
    キノフィルムズ/木下グループ

姉妹愛あり、「スター・トレック」のコネタあり。キュートな雰囲気も併せ持った感動作。複雑を要するダコタ・ファニングの演技も絶品。天才子役は見事に大人の女優に成長した。

©2016 PSB Film LLC

寝ても覚めても

  • テアトル新宿 ヒューマントラストシネマ有楽町 シネクイントほか全国ロードショー
  • 2018年 日本映画 119分

寝ても覚めても

寝ても 覚めても あなたのことばかり…

芥川賞作家、柴崎友香の恋愛小説の映画化。同じ顔をした性格の違う二人の男性に恋をした女性の8年間に渡る心の惑いを描く。風に吹かれるままフラリといなくなった恋人が忘れられないまま、昔の恋人と同じ顔をした別の優しい男性が現れ、自分を心底愛してくれたら…。そして新しい恋人に気持ちが傾きかけた時、元の恋人が再びフラリと現れ、一緒に行こう!と誘われたら、どんな選択を下すのか。映画は二人の男性の間で揺れる女性の“愛”と“錯覚”を描出し、愛の根源を探り出している。

  • 監督:
    濱口竜介
  • 出演:
    東出昌大
    唐田えりか
  • 配給:
    ビターズ・エンド、エレファントハウス

濱口竜介監督は本作で、カンヌ国際映画祭コンペティション部門選出という快挙を成し遂げ、若き巨匠の名を海外に刻ませた。新星、唐田えりかも魅力的、健闘した。

©2018映画「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS

愛しのアイリーン

  • TOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
  • 2018年 日本映画 137分

童貞男の花嫁はフィリピーナ
狂乱と戦慄の純愛バイオレンスの大傑作!

愛しのアイリーン

ビックコミックスピリッツに連載されていた新井英樹の傑作漫画の映画化。嫁不足に悩む農村で、いまだかつて女経験ゼロの40代男性が、フィリピン娘を嫁にもらったことで巻き起こる家族の狂乱劇。息子と嫁と姑の壮絶な愛のバトルは一瞬たりとも目が離せない。監督は、この原作を“最も影響を受けた漫画”と公言する吉田恵輔。絶頂期の園子温を彷彿とさせる、エロスあり、15R指定ギリギリの描写あり、放送禁止用語連打の純愛バイオレンスを堂々完成させた。安田顕、ナッツ・シトイ、木野花。役者もまた、いい仕事をした。

42歳のチェリー・ボーイ、穴戸岩男の嫁はフィリピン娘アイリーン。花嫁がフィリピーナと知り母は激怒、“ライフル銃”を片手に息子に相応しい嫁探しを画策。一方、愛よりも金目的で結婚したアイリーンだったが、岩男のひたむきな愛に触れ心の距離を縮めていく。だが塩崎というヤクザとの出会いをきっかけに、岩男の純愛は次第に狂暴化する…。息子は嫁を愛し、嫁は金を愛し、姑は息子を溺愛する。怒涛のこどく展開する狂乱の愛のドラマの結末は、それまでの危険な描写をすべて帳消しにしてしまう、感動の涙が待っていた。

  • 監督:
    吉田恵輔
  • 出演:
    安田顕
    ナッツ・シトイ
  • 配給:
    スターサンズ

無口な男が狂変。安田顕の怪演も見事だが、木野花の母親役は絶品。恐怖心を煽る狂演は、紛れもなく助演女優賞ものだ。アイリーン役ナッツ・シトイのおきゃん娘もチャーミングだった。

©2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ(VAP/スターサンズ/朝日新聞社)

ダウンレンジ

Downrange

  • 新宿武蔵野館2週間限定ロードショー。9/22大阪第7藝術 劇場全国ロードショー
  • 2018年 アメリカ映画 90分

ダウンレンジ

謎のスナイパーから生き残れ!

日本では「あずみ」「ルパン三世」などアクションを撮ってきた北村龍平監督が、ハリウッド映画監督として新たに撮ったのが「ダウンレンジ」だ。タイトルの「ダウンレンジ」とは銃弾の射程圏内を指す用語で、兵士たちの間では「戦闘地帯」を意味する。 アメリカの大学生6人組が乗る車が突然パンクする。場所は見渡す限り何も無い荒野の大地。携帯も繋がらない状況の地で気楽におしゃべりをする大学生たち。しかしタイヤ交換をし始めると、パンクの原因は銃撃によるものだと判明する。それを機に見えない敵による銃撃が彼らを死の恐怖に陥れる。

  • 監督:
    北村 龍平
  • 出演:
    ケリー・コンネア
    ステファニー・ピアソン
  • 配給:
    ジェンコ

極めて限定的なシチュエーションで見えない敵の恐怖を最大限に見せている。湾岸戦争が舞台だった「ザ・ウォール」と似たテーマだが、非武装地帯で謎のスナイパーのバイオレンスな存在感は凄い。熱中して最後まで惹きつけられてしまった。

©Genco. All Rights Reserved. http://downrangethemovie.com/

きみの鳥はうたえる

  • 新宿武蔵野館、ユーロスペースほかロードショー
  • 2018年 日本映画 106分

きみの鳥はうたえる

若者たちの無計画でただ今を生きている自堕落の生活の中にある青春の輝きを描いた青春ヒューマン映画。原作は「海炭市叙景」「そこのみて光輝く」の佐藤泰志の同名小説を映画化。 函館郊外の書店でアルバイトとして働く“僕”と、失業中の同居人静雄。そして“僕”の同僚佐知子の3人は、友達として朝まで酒を飲み遊び続けるが、微妙な愛を伴う感情が芽生えたことで悲しくも痛みに満ちたひと夏の終焉を迎える・・・。 原作は東京を舞台にしていたが、やはり佐藤泰志イズムは函館が似合う。物語の骨格はそのままに現代の物語として翻案し映像化している。

  • 監督:
    三宅 唱
  • 出演:
    柄本 佑
    石橋 静河
  • 配給:
    コピアポア・フィルム

派手さもなくただひたす毎日を楽しく過ごす若者たちの姿に郷愁の思いを感じさせる。この暗さと懐かしさこそ佐藤文学である。是非劇場で体験してみてはいかがでしょうか。

©HAKODATE CINEMA IRIS

世界が愛した料理人

Soul

  • YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
  • 2016年 スペイン映画 75分

世界が愛した料理人

ミシュラン三ツ星シェフを魅了した“和食の世界”とは!?

第67回ベルリン国際映画祭で公式上映され話題となった、ミシュランの三ツ星を最年少で獲得した料理人エネコ・アチャが究極の食の真髄を求め日本の名店を巡る旅。 スペイン、バスク地方で名店「アスルメンディ」をプロデュ―スし、スペイン史上最年少でミシュラン三ツ星を獲得した料理人エネコ・アチャ。彼が求める究極の美食の真髄は和食にありの思いから日本の名店を巡り歩く。劇中では「すきやばし次郎」の小野二郎のほか、日本料理の名店「壬生」の石田廣義と石田登美子、「龍吟」の山本征治多数の有名料理人と、世界の料理人ジョエル・ロブションが登場する。

  • 監督:
    アンヘル・パ
  • 出演:
    ホセ・アントニオ・ブランコ
    エネコ・アチャ
  • 配給:
    アンプラグド

ソースなどを重視するフレンチやイタリアンと違う、素材の味にこだわり、味覚を重視する和食の真髄が見えてくる。

©Copyright Festimania Pictures Nasa Producciones, All Rights Reserved.

ディバイン・ディーバ

Divinas Divas

  • ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
  • 2016年 ブラジル映画 110分

ディバイン・ディーバ

1960年代に自由を求めて戦ったディーバたち

ブラジルの伝説のドラァグクイーン3人が女装ディーバとして生きてきた尊厳と差別と戦った姿を描いたドキュメンタリー。 現代では珍しくなった女装家だが、ブラジルでは軍事独裁政権下の60年代から性的マイノリティとして、女装しエンターテイメントの世界で自由を求めて生きてきたディーバの姿は偉大だ。当時リオのヒバル・シアターで活躍した8人のディーバが、デビュー50周年を祝しライブをすることになるが、久々のパフォーマンスに悪戦苦闘し、本番のライブに望む姿や、当時の貴重な60年代の映像や写真を交えながら偉業を振り返る。

  • 監督:
    レアンドラ・レアル
  • 出演:
    スブリジッチ・ディ・ブジオ
    マルケザ
  • 配給:
    ミモザフィルムズ

見た目はゲテモノに映るかもしれないが、ショーの映像からはプロのディーバの存在感に圧倒される。

©UPSIDE DISTRIBUTION, IMP. BLUEMIND, 2017

妻の愛、娘の時

相愛相親

  • YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
  • 2017年 中国・台湾映画 121分

妻の愛、娘の時

父の死、母の死が繋いでくれた新たな愛

香港・台湾を代表する大女優であり、名プロデャーサーでもあるシルヴィア・チャン監督・主演作。母親の死をきっかけに巻き起こる墓騒動を、切実にユーモアを交え描いた女性映画で、実話をもとにした脚本に感動したチャン監督が4年の歳月をかけ完成させた。映画はシルヴィア・チャン演じる娘が、母の遺骨を父と同じ墓に入れるため、田舎にある父の墓を自宅の側へ移そうとするが、父には前妻がいて墓移動を拒否されたことで、思わぬ波紋と新たな人間関係が生まれていくまでが描かれる。

  • 監督:
    シルヴィア・チャン
  • 出演:
    シルヴィア・チャン
    ティエン・チュアンチュアン
  • 配給:
    マジックアワー

誰が悪いわけではないし、3世代の女たちの想いにも共感できる。だが、心に残る“しこり”に、やるせなさが募る。夫に愛されなかった前妻役の哀愁の演技に泣けた。

©2017 Beijing Hairun Pictures Co.,Ltd.

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

Chalard Games Goeng

  • 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
  • 2017年 タイ映画 130分

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

天才少女が仕掛けた 犯罪ビジネス カンニングで大金を掴め!!

成績優秀の女子高生がその天才的頭脳を活かし、落第生の仲間と共に大学統一入試試験合格を目指し史上最大のカンニングに挑む、高校生版「オーシャンズ11」と話題のタイ映画。もとネタは中国で実際に起きた集団不正入試事件。タイ映画の期待の俊英、ナタウット・プーンピリヤが「学歴社会」と「格差社会」を背景に、熾烈なお受験戦争の内情をヒネリの利いたアイディアで大胆に描いた。主人公の女子高生リン。悪知恵を働かせカンニング技術でひと儲け。

  • 監督:
    ナタウット・プーンピリヤ
  • 出演:
    チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
    チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
  • 配給:
    サジフィルム/マクザム

国境を越えた史上最大のカンニング・シーンに高楊。頭脳明晰でなければ成立しない神業テクニックに驚嘆。まさにひらめきが物言う青春エンターティメント。タイ映画の未来を感じた。

©GDH 559 CO., LTD. All rights reserved.