「セッションズ」のベン・リューイ監督と「I am Sam アイ・アム・サム」の元名子役ダコタ・ファニングが贈るハートミング・ストーリー。自閉症の女性が大好きな「スター・トレック」を通じて、新たな人生の可能性を見つけ出していく愛と成長の物語。「JUNO/ジュノ」「マイ・レージ、マイライフ」の名プロデューサーが脚本に惚れ込み映画化となったが、その原案となったのは、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されていた自閉症の少女の記事。ちなみにその少女が好きだったのは「ロード・オブ・ザ・リング」だったとか。
「スター・トレック」に関することなら、誰にも負けない自閉症のウェンディ。「スター・トレック」脚本コンクールに応募しようと渾身の脚本を書き上げたが期限ギリギリ、郵送では間に合わないと、500ページの脚本をリックに詰め、愛犬ピートとハリウッドまで自力で届けようと人生初の旅に出る…。毎日自立支援ホームとアルバイト先の“シナボン”とを行き来きするだけだった彼女が、旅の途中、世の中の厳しさを知り、難関を一つずつクリアしていく光景は、まるで「はじめてのおつかい」を観ているようで気が気じゃなかった。
姉妹愛あり、「スター・トレック」のコネタあり。キュートな雰囲気も併せ持った感動作。複雑を要するダコタ・ファニングの演技も絶品。天才子役は見事に大人の女優に成長した。
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