ある少年の告白

BOY ERASED

  • TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
  • 2018年 アメリカ映画 115分

自分らしく生きる

ある少年の告白

アメリカの田舎町で信仰心の強い両親のもとに生まれ育ち、ある日同性愛者であることに気づいた青年。両親の勧めで同性愛を治す矯正セラピーに参加し、そこで体験した危険なセラピーの実態とそれに伴う心の傷に迫った衝撃実話。原作者ガラルド・コンリーが19歳の時に参加した矯正治療プログラムでの実体験を綴った回顧録をもとに、俳優で監督のジョエル・エドガードンが真摯に映画化。主人公と同じ悩みを抱える若者たちの救世主となり、周りの意識を変える意義ある作品を生み出した。

同性愛者をまるで犯罪者のように扱う施設の職員たちや、我が子の心の惑いや、自我の目覚めにも聞く耳をもたない両親。これが世界の中心、2000年代のアメリカで実際に起こっていたということに驚かされるし、歯の矯正や骨の矯正でもあるまいに、アィデンティティーという人間の尊厳を完全に無視した強制的なセラピーの実態も腹だたしい。大人の事情に振り回される青年の怒りと切ない感情に共鳴しない観客はまずいないだろう。「自分らしくありのままに生きる」ことの難しさを知らされる作品でもある。

  • 監督:
    ジョエル・エドガードン
  • 出演:
    ルーカス・ヘッジズ
    ニコール・キッドマン
  • 配給:
    ビターズ・エンド、パルコ

ニコール・キッドマン、ラッセル・クロウの頼もしいベテラン勢。その中で「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の若き実力者ルーカス・ヘッジズの繊細な名演がひと際目立っていた。

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