アウトバーン沿いにある旧東ドイツの巨大スーパーで働く人々の慎ましやかな物語。主人公は腕や首にタトゥーを入れた無口な青年クリスティアン。面倒見のよい上司ブルーノの下、在庫管理係の見習いとして働き始め、夫のいる年上の女性マリオンに恋心を抱くところから映画は始まる。ベルリンの壁崩壊後、統一されたドイツという時代背景が全体的に薄暗い印象を与えるが、登場する人間(喪失感が癒えぬ)に悪い人間がいないことに心が安らぐ。
薄暗い恋心。薄暗い日々の労働。行きかうフォークリフト。それでも地道にコツコツやっていれば、いつか灯が灯る日がやってくる。人生も悪くないと感じてもらえる作品だ。
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