Der Hauptmann
終戦まで一か月の敗色濃厚のドイツで、ナチス将校の軍服を偶然拾った若き脱走兵、ヴィリー・ヘロルトと彼が率いた「ヘロルト親衛隊」の実話に基づく本作は、ハリウッド大作を生んだロベルト・シュヴェンケ監督が、母国ドイツに戻り手掛けた渾身作。名もなき兵士が「軍服」という権力を笠に、瞬く間に支配者へとのし上がっていく極悪非道のあり様を目に余る衝撃映像で描く超問題作。権力を利用する者と、盲従する者。若き兵士の狂気の変貌を通し人間の醜態を抉り出している。
イジメ、DV、パワハラなどが急増する現代社会にも相通じる話。「ヘロルト親衛隊」が現代に蘇ったエンドロール映像に身震いした。
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