動物写真家・岩合光昭の記念すべき初監督作品。なんにもない小さな島を舞台に、妻に先立たれた70歳の大吉さんと飼い猫のタマさんの、のんびり穏やかな毎日を、島の人たちとの交流を交え描くほのぼの系ドラマ。人と人、人と猫の豊かな触れ合いが観る者を癒してくれる。「猫映画」はこれ迄にも数々あれど、これほどまでに猫の特徴を細かく捉えた映画はなかったし、島の風景と猫のツーショット映像も、写真を見ているようで美しい。これぞ岩合監督ならではの「猫映画」、実に新鮮だった。
監督直々にオファーを受けた落語家・立川志の輔も映画初主演。人の好い爺さんを“寄席での顔”とはまた一味違った旨さで演じ上げた。ふてぶてしい猫のタマさんの名演技も必見。
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