大森立嗣監督が初めて挑む「家族の実話」。ガンに冒された母と奇跡を信じる息子の普遍的愛を描いた本作は、WEBサイトで連載された宮川サトシの自伝エッセイ漫画を映画化。突然のガン宣告から看病、看取り、死を受け入れるまでの母と息子の闘病記だが、遺骨を食べたいほどに愛した人と出逢えた喜びと別れの悲しみが綴られた想い出づくりの物語でもある。子供にとって親の死は受け入れ難いものだが、複雑な心情が安田顕演じるややマザコン気味の息子の視点からリアルに描かれ共感を呼ぶ。
母の死から一年後。息子に届いたサプライズプゼントに、海よりも深い母の愛を感じる。倍賞美津子演じる明るくパワフルな母の姿が目に焼き付いた。松下奈緒、石橋蓮司も好演した。
Ⓒ宮川サトシ/新潮社 Ⓒ2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員会