ドイツの名匠クリス・ディアン・ぺッツォルト監督最新作。1942年に亡命先のマルセイユで執筆したドイツ人作家アンナ・ゼーガースの小説「トランジェット」を現代に置き換え映画化。ナチスによる悪夢の史実と現代の難民問題を重ね合わせた異色作だ。深刻な難民問題で揺れビザ発給で難民が溢れかえる現代のフランス。祖国ドイツを追われた男が、亡命先のマルセイユで他人の人生を手に入れ、新たな未来に乗り換えようとする姿をサスペンスフルに描く。
運よく他人に成りすました男。謎の美女との出会いが、再び男の人生を変えていく…。危うい恋模様と切迫した亡命劇。主演二人も美しいが、今の世界状況を知る上でも観るに値する。
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