直木賞作家・西加奈子の児童小説の映画化。ひなびた温泉街を舞台に、思春期特有の悩みを抱える少年と、ある日突然“幸せの種”を撒きに現れた謎の美少女との淡い恋を描くファンタジック・ドラマ。監督・脚本は長編第1作「くじらのまち」が国内外で高く評価され、黒沢清監督に師事した鶴岡慧子監督。一筋縄ではいかない西加奈子の不思議な世界観を、より個性的に色づけした。映画は単なる初恋物語に留まらず、大人への階段を昇り始めた少年の目線から、家族再生や町の活性化などのエピソードも綴られる。
14歳にて初主演の山崎光と、スーパー・モデル並みのスタイルの美少女、新音(にのん)の瑞々しさに加え、女好きで粗雑な父親役に草なぎ剛が怪演し、役者としての風格をみせた。
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)