凪待ち

  • TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次ロードショー
  • 2019年 日本映画 124分

2019年06月28日公開

凪待ち

光を求めて生きる人生って、素晴らしい!

凪待ち

毎年多くの日本映画が作られるが世界に通用する作品は少ない。この作品は間違いなく世界で絶賛される「喪失と再生」をテーマに作られた重厚な人間ドラマである。

地方の寂れた漁港のある家族の実家に戻り、もがきながら生きる中で事件に巻き込まれ、家族が崩壊に向かうが、自暴自棄になりながらも一筋の希望の光を見出すというありふれたストーリーだが、今回の作風はアキ・カウリスマキ監督の「浮き雲」のようだ。白石監督は過度な説明を省き、香取慎吾が演じた主人公郁夫の自堕落で人間の弱さを前面に出し、まるで深い海の底で、もがきながら彷徨ってみえる姿を引き出した。

郁夫の無気力で何かを抑えている日常の姿、そして事件から少しづつ歯車が外れ自堕落になっていく姿、郁夫が職場やノミ屋で暴れるシーンなど1カットごとに丁寧に精魂込めた想いは心に響いてくる。新境地を見出した香取慎吾の演技は“新しい地図”で水を得たようだ。どんな役を演じてもすべて同じにみえるアイドルとは別格だ。本人も観客に向けて「誰かの生きる希望になれますように」メッセージを送っている。

  • 監督:
    白石和彌
  • 出演:
    香取慎吾
    恒松祐里
    リリー・フランキー
  • 配給:
    キノフィルムズ
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