ある船頭の話

  • 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
  • 2019年 日本映画 137分

2019年09月13日公開

ある船頭の話

日々 黙々と船を漕ぐ
孤独な船頭の老いらくの物語

俳優オダギリジョーが、10年前に書き留めたオリジナルストーリーをひっさげ、長編映画初監督に挑んだ。舞台は明治後期から大正の時代の山村。船頭という職に身を捧げた男の物語から、人間の根源を炙り出す問題作。晴れの監督作品ということで、世界から一流のスタッフが集結。特に撮影監督クリストファー・ドイルの光と影の美しさに心奪われ、風情が漂う映像描写からは、真の日本の原風景“秘境”が浮かび上がる。主演の柄本明を筆頭に豪華キャストが総動員。友情出演かと思う多彩な顔ぶれもにも注目だ。

岸から岸へ、村人の足となり、船を漕ぐ船頭のトイチ。質素な暮らしの中でも“人のために生きている”ことに誇りをもち、日々黙々と船を漕ぐ。だが、謎の少女の出現、橋の完成がトイチの人生の風向きを変えていくのだ…。11年ぶりの映画主演となる柄本明が、時代の波に上手く乗れない男の闇を哀感たっぷりに熱演。謎の少女に川島鈴遥。狐につままれたような不透明な役柄ではあるが、彼女の登場は奇遇にも柄本の映画初主演作「カンゾー先生」で彗星のごとく現れた麻生久美子の存在と同じ印象を感じた。

世界で活躍してきたオダギリ監督が、インテリジェンスな世界観をアピールしながらも、「楢山節考」の今村昌平作品を意識した、欧風の香りと昭和臭さのある作品を創り上げた。

  • 監督:
    オダギリジョー
  • 出演:
    柄本明
    川島鈴遥
  • 配給:
    キノフィルムズ/木下グループ
Ⓒ2019「ある船頭の話」製作委員会