閉鎖病棟―それぞれの朝―

  • 全国ロードショー
  • 2019年 日本映画 117分

2019年11月01日公開

閉鎖病棟―それぞれの朝―

“もがき”と“安らぎ”の閉鎖病棟
「今」と「未来」を隔てる暗い塀

精神科医・帚木蓬生の山本周五郎受賞作「閉鎖病棟」の映画化。この原作に惚れこみ、初の脚本にも挑んだ「愛を乞う人」の平山秀幸監督が11年越しの熱意を実らせ、ついに完成させた。世間から追い出され、精神病院という閉鎖された世界で生きる人間たちの「今」と「未来」を深慮な眼差しで描く希望の物語。笑福亭鶴瓶が「ディア・ドクター」以来10年ぶりの映画主演作となる本作で難役死刑囚に挑んだ。さらに綾野剛、小松菜奈の若世代の俳優や渋川清彦、木野花、山中崇など名脇役陣も強印象を残した。 

とある精神病院。それぞれに過去を抱え、閉鎖された世界で過ごす患者たち。その中に死刑執行に失敗し生きながらえた梶木秀丸。幻聴が聞こえサラリーマンを辞めた塚本中弥。義父からDVを受ける女子高生島崎由紀がいた。映画はこの三人の交流を軸に彼らに芽生える“変化”を見出していくが、院内で起きた殺人事件が、彼らの未来を一変する…。実際に精神科の専門施設での撮影を敢行、心を病んだ患者たちを過敏に演じるキャストたちのリアルさに驚く。モノクロとカラーの解りやすい説明も良かった。

人間の真の優しさが身に染みる。どんよりとした空気から徐々に「光」が射し、朝を迎えるラストに「生きる」意味と「希望」が見えてくる。日本中が“むせび泣いた”理由が解った。

  • 監督:
    平山秀幸
  • 出演:
    笑福亭鶴瓶
    綾野剛
  • 配給:
    東映
Ⓒ2019「閉鎖病棟」製作委員会