Tumma Kristus
2020年02月28日公開
人生逆転を賭けた最後の大勝負、作者不明の肖像画に魅せられた老美術商とその家族愛を描いたヒューマンドラマ。家族よりも仕事を優先してきた美術商オラヴィは、画廊を畳もうと考えていたが、そんな時音信不通だった娘から連絡が入り、問題児の息子オットーを更生させる為、職業体験で数日間預かって欲しいとお願いされる。ある日オラヴィはオークションハウスで1枚の肖像画に魅せられる。絵には署名は無く、作者不明のまま数日後のオークションに出品される事を知り、孫と一緒に作者を探し始め、ある本から近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品という証拠を掴む・・・。
「掘り出し物に夢見てガラクタばかり集めて」と、孫にバカにされながらも仕事の楽しさを伝えることで校正させるオラヴィの姿に高度成長期の日本のお父さんの姿が被る。その裏で家族が犠牲になっていたかも知れない現実がある。複雑な気持ちの中、家族愛を再認識させられる映画である。